今月の「帰ってきた海馬が耳から駆けてゆく」の冒頭に書きましたが、パソコンのディスプレイが壊れました。保証期間も過ぎていたのですがサポートセンターの方が、
「無償で修理します」
と、言ってくださって、何故なのどうしてなのと思いながら、最寄りの営業所にディスプレイを持ち込みました。
十日くらい小さい代替機で仕事をしていたのですが、ある日その営業所の所長と思しき方から電話が掛かって来ました。
「すみません。修理をしようとしたのですが、部品がなくて」
そうかもしれない。保証期間過ぎてるからそれ。
「いつになるかわからないので、最新型の新品と交換させて頂けないでしょうか……」
あら。
それ、私にはとても、良い話ですよね?
でもなんでそんなに暗いの所長さん。私も疑心暗鬼になるわ。
「後継機種ですか? 何か違いますか?」
普段ならほいほいと替えて貰う私なのですが、向こう様がなんだかお通夜みたいなもんで、質問をしてみました。
「すみません、LEDになります……」
LED、それは進化の証し。
でも実は、パソコンのディスプレイを見て文字を打つ私には、あまり有り難くないのです。
「そうですか。明るくなるんですね?」
「すみません、明るくなります……」
何故だか彼は、謝罪してくれました。
「それと、ディスプレイの高さ調整が、できなくなってしまいました……」
あ、前のできたんだ。知らなかった。
「でも、交換するしかないんですよね?」
「直すとなると、いつになるか……」
「わかりました。交換します」
「すみません、それともう一つ、保証期間が過ぎていたので、新品と言えど保証書がつきません……」
それはでも、サポセンの方が何故だか修理してくれるとおっしゃってくださらなければ買い換えていたところなので、しょうがないことです。
「でも新品がすぐに壊れるようなことはないですよね?」
だからいいです、という意味で私は言ったのですが、
「それは絶対とは言えませんが……」
何処までも、所長は暗い。
何故だ。いつもそういう人なのか。それとも保証期間を過ぎている修理を請け負ったことで、何処かが揉めたのか。
「取り敢えず交換させてください」
私は、ディスプレイの保証期間が過ぎていたにも関わらず、全く無償で最新型の新品を手に入れたのに、何故こんなどうしようもないものを掴まされたような気持ちになるのであろうか……。
しかし現金なもので、新品を繋いだらきれいだし思ったより明るくないし、ついでにキーボードも買い換えて快適快適。
でも最近そういえば、目が痛い。
そんなに明るくないと思っているだけで、目には刺激的なのだろうか。
それでも三年はもってくださいと、強欲にディスプレイに願う私でした。
「Wings10月号」発売中です。「帰ってきた海馬が耳から駆けてゆく」連載中です。今回は「何度でも家族の話」。南野ましろが、いつも愉快なイラストをつけてくれています。
この中でも書いたのですが、母が腰の手術をします。大ごとではないのですが、やはり不安です。ただ今その準備で、てんやわんやです。てんてこ舞いです。
そんなときに弟が、
「千羽鶴折ろうよ」
と、超役に立たないことを言い出したので、鶴折ってる場合か! と、ツイートしたら、弟がご好評でご不満な私です。
ただ、何故この話になったのかというと。
母が入院中に誕生日を迎えるのですが、弟がそれを、
「お母さんの誕生日どうする?」
と、私に聞いて来たのです。
私は母は内臓の手術をする訳ではないので、何食べてもいいのではないかと思い、
「寿司折り買って、二人で行こうか?」
そう、弟に言いましたら弟が、
「個室じゃないし、よその人に悪いし、お母さんも恥ずかしいと思う」
と、私にない常識を発動したのです。
「そうね……じゃあお誕生日は退院祝いと一緒にするということで、取り敢えずその日は二人でお見舞いに行きましょう」
そう私が言いましたら弟が、
「千羽鶴折らない?」
と、言ってきた次第です。
寿司折りとか言ったのは私が悪かったけど、鶴を千羽折ってる場合ではない!
ちょっとこの話、私に分が悪い気がするのは何故。
- 2013/08/28(水) 17:11:46|
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