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菅野彰

菅野彰の日記です

「私の変な美容師六回目くらい」

 今回は私の変な美容師というか、変な美容師のかわいいアシスタントの話。
「あー! もう限界!!」
 と、限界を迎えて美容院に行ったら、見るなり彼に、
「しっちゃかめっちゃかだね」
 と、言われました。
 そこからしっちゃかめっちゃかな髪をなんとかして貰い、最後、私の変な美容師Sくんと、二十歳そこそこくらいのアシスタント嬢で、髪にアイロンを掛けてくれました。
 Sくんは「八重の桜」を観ていて他に周りに観ている人がいないので、二人で八重の話をして、
「吉川晃司いいよね」
 そう、彼が言いました。
「あんないい男になると思わなかったよね」
 と、私が言ったら彼はちょっと意地悪く、
「それっていつの吉川晃司からの話?」
 と、尋ねてきました。
 私が答える前に彼は、
「サンドイッチマンのコントがあってね」
 バラエティの話を始めました。
「KKって男が住んでるマンションが、モニカなの」
「そうだよ、その吉川晃司からの話だよ!」
 古さに二人で笑い、話が少し脱線して、
「やっぱりサンドイッチマンのコントに、黒いタンクトップの男が出て来て、坂本一生かよ! ってのがあってね」
 彼がそう、続けました。
「そのコント世代がピンポイント過ぎない? 加勢大周だってもう、覚醒剤で引退したよね」
 彼と私は多分、同じ小学校に通える程度の年齢差。吉川晃司のモニカも阪本一生の話も、同世代なのでわかる話です。
 アシスタント嬢は、多分なんの話か全くわからず笑うこともできず、黙ってヘアアイロンを掛けるしかない。
「全然わかんないよね」
 Sくんが気を使ってか、アシスタント嬢に声を掛けました。
 少し考え込んで、微笑んで彼女は言った。
「田代まさしなら、うちのお父さんに似ています!」
 覚醒剤繋がりの、ブラックな乗っかりでした。
 ブラックさに私は爆笑したのですが、Sくんは真顔で、
「それって事件前? 事件後?」
 と、アシスタント嬢に聞いていました。
 そこ重要だったらしい。
 髪を切っているときに、私は何も考えずにふと、
「そう言えば昔、ドライカットって流行ったよね」
 そう、呟きました。
「今でもあるよ」
 彼は何故か、若干不機嫌になりました。
「僕、ドライカット嫌いなの」
 あ、なんか変なツボ触ってしまったと思いながら、
「なんで?」
 と、尋ねると、
「理由、誰にも言わないでね」
 そう言って彼は、思いも掛けない理由を語ってくれたのですが、誰にも言わないと約束したので書きません。思いも掛けないけど、たいした理由じゃなかったです。
 ところで「八重の桜」の話になると、私は「あした咲く花」のために山ほど資料を読んだのでちょっとは詳しい訳です。前回もSくんに聞かれましたが今回も、
「なんでそんなに詳しいの?」
 と、尋ねられました。
 途中Sくんは横を向いて、
「歴女だ、歴女」
 と、三回くらい呟きました。横には誰も居ません。
「何それ」
 笑って尋ねると彼は、
「陰口だよ」
 いつもの真顔。
 お店を出るとき、
「ああさっぱりした!」
 と、浮かれたら、
「僕がさっぱりしたよ」
 と、見送ってくれました。
 カットした翌日会った友人の一人に、
「メンフィスのお姉さんみたい」
 そう、評されました。
 それを聞いていた別の友人から、
「ああ、アイシスな」
 と、すかさず名前が出て来て、前日のブラックなジェネレーションギャップを、二人に語った次第。
 年齢差のある人がわからない話をしているとき、ふとわかる単語が出て来ても乗っかるのはよく考えようという教訓。
  1. 2013/07/05(金) 14:36:37|
  2. 私の変な美容師