「あした咲く花 -新島八重の生きた日々-」が、イースト・プレスから1月8日頃発売になります。ネット書店では、年内に配本になるところもあるかもしれません。
少し長く、説明をさせて下さい。
この本は、新島八重を主人公にしたフィクションです。
後書きに書いたことと被りますが、私がこのお話を頂いたのは、もちろん2013年の大河ドラマが発表された後でした。ヒロインの八重が会津の出身だということで、旧知の編集者であるアースブックスの川井さんが、
「菅野さん、折角会津に住んでるんだから、八重を書きませんか」
と、企画して下さったものです。
大河ドラマとは言ってみれば無関係ではあるのですが、「2013年の大河ドラマの舞台を被災地にして、元気づけたい」というNHKの意図にも、深く感じ入るところがありました。
とはいえ、幕末を生きた一人の人物を小説に書くということは、私の手に余ると悩みました。しかし八重の資料を読み込むうちに、強く八重に魅了されていった次第です。
そんな中、二月に大好きだったばあちゃんが、大往生で亡くなりました。
エッセイ「女に生まれてみたものの。」(河出書房新社刊)の中で書かせて頂いた通り、ばあちゃんは、私にとって八重のような人で、とても八重を書きたいという気持ちが強くなりました。
様々な人の力を借りて、今回、八重の人生を書かせて頂きました。
この本を書いている途中に、思い始めたことがあるので、お願いを書かせて下さい。
何を書いている時でも思うことなのですが、
「これは誰が読んでくれるんだろう? おもしろいだろうか?」
そういう、考えに陥る時間があります。
この本は、大河ドラマが好きな方や、歴史小説が好きな方が主に手にとって下さるのかなとは、思いました。
もちろん、それも本当に有り難いことです。
ただ書きながら私は、大変なわがままですが、
「叶うなら、今まで私の小説を読んで下さった方々にも、読んで欲しい」
と、願うようになりました。
ジャンルも違いますし、価格も安くはないです。他に待っているシリーズがあるというお気持ちも、あって当たり前だと思います。それは本当に、謝らなければならないことです。本当に申し訳ありません。
それでも、いつもの読者さんに読んで頂きたいのは、私が、この本をとても、とても楽しく書いたからです。そして久しぶりの長い小説を、思いきり書けた気持ちがするから、見て頂きたいのです。
そんな訳です。
もしお気が向かれましたら、読んで頂けたら、ただただ幸いです。
- 2012/11/29(木) 17:33:49|
- 告知
-
-