どんなに旨い酒に出会っても、顔が腫れていたら酒を飲まない、それも大人力。腫れは大分引きました。
友人が二泊三日で遊びに来ていました。ものすごくおいしいつまみを土産に持ってきてくれた。でも飲んで救急車とかやなので、控えめに、ちょっと、飲みました。ちょっとです。味見程度。
昼間は近所の温泉に行きまして、露天風呂でまったりしておりました。
友人は髪を洗っていて、最初私と、若いお母さんと小さい姉弟で露天におりました。小さい姉弟はお湯が熱いと言って、庭で石を拾って遊んでいました。
「危ないわよ、よしなさい」
お母さんは何度か注意していましたが、やがて、
「お母さん体洗ってくるわ」
と、居なくなってしまいました。
え? あの子達私見張るべき? 大分小さい姉弟なんだけど。
かわいい姉弟は、石を掴んで投げ始めました。何かが起こる。きっと起こる。帰って来て、お母さん。
そこで私は、幼い姉弟を、叱って止めるべきだったのかもしれない。しかし私は仕事場の前の川で子どもたちが遊んでいるときにも、
「危ないわよー」
と、言うのがいつも精一杯です。
私が子どもの頃には、何か危険な遊びをしていると、何処かのおじいさんとかが現れて叱り飛ばされたものですが、なかなかそれをするのは簡単ではない。
そのうちおばあさんが入ってきたので、私は髪を洗ってきた友人と談笑し始めました。
そしたら姉の投げた小石が弟の頭に当たったらしく、弟が泣き出した。
「……こんなことになる気はしていた」
私が呟く横でおばあさんが、
「なんだい石が当たったのかい? 痛いなあ、よしよしもう泣くな。危ないからもうそんなことをしたら駄目だよ」
と、姉弟を窘めました。
「ああいうものに、私はなりたい」
私が呟くと友人は、
「どうした。何を言っているの」
続く独り言にきょとんです。
今では子どもたちと全力でかくれんぼをするような体力もない私ですが、いとこの子どもたちと遊ぶときもいつも言われるがままに遊んでしまいます。
前に、「女に生まれてみたものの。」に書きましたが、子どもたちに乞われて、子どもたちの腕や足にドラえもんをマジックで描いていたら、叔父に、
「おい」
と、私が怒られた。当たり前だ。
育てよう、大人力。
おいしいつまみを買って来てくれた友人は、寄った土産物屋でおいしい酒を試飲して、それも購入。夜ちょっと味見させて貰ったら、ものすごくおいしい。水のようではないのです。とろっとして、かおりがとても良い。なのにすっきりしてる。
「おぬしやるな!」
酒と話していたら、
「海原雄山(美味しんぼ)みたいになってんだけど」
友人に笑われつつ、今日二人でその蔵を訪ねてみました。
高い天井、大きな神棚、書道家の方が正座してラベルを手書きで描いている、時の止まった蔵でした。
「昨日飲ませて頂いたこちらのお酒がとても美味しくかったので、買わせて下さい」
そうお願いしたらおかみが、
「どれを飲んだの? 四合瓶二千円の生酒? それは高いからおいしいのよ。もっと安いお酒もあるわよ」
商売っ気もあまりなく、いや四合瓶二千円って高いかな? と、思いながら、私は四合瓶一本と聞き酒セットを買わせて頂きました。
とても素敵だった蔵の中は、写真を撮るのもなんだか申し訳ない感じで、お酒の写真だけ上げておきます。
蔵は、「笹正宗」です。サイトはこちら。
http://www.sasamasamune.com/ 私は顔の腫れが治ったら、このお酒を飲みます。
大人力。
- 2012/05/28(月) 18:50:33|
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