新年です。
5日から私は新年を迎えました。
今年もよろしくお願いいたします。
9日に、「小さな君の、腕に抱かれて」が発売されます。木下けい子先生の挿画が本当にきれいです。
私としては是非、特典ペーパーを入手して頂きたい。詳しくは
2つ前の日記や、
新書館を覗いてみてください。
新年のお供に、読んでやってください。
私の仕事納めは、5日になりました。
初めて小説の原稿をお渡しすることになる担当さんなのですが、デビュー当時からのおつきあいで本当に根気よく声を掛け続けてくださって、私もなんというかとても自分で満足な原稿をお渡しできて幸せな仕事納めになりました。
本当は4日の晩には終わっていたのですが5日に見直していたら夕方になってしまって、5日から遊びに来た友人を一時間くらい待たせてしまった。
「ごめん人として掃除させて……買い物してきて……」
関西から来てくれた友人に買い物をさせまして、どんこで鍋をして曙酒造の一升瓶を開けました。
「『曙 初しぼり 限定 大俵引き 新酒生酒 おりがらみ 純米』……情報が多すぎる」

これがものすごく美味しかったです。
「脱稿おめでとう!」
祝ってもらって乾杯。

魚屋さんで「どんこ」に出会えることがあったら、鍋にするといいです。本当に美味しい。
さて私と友人には、遅い正月の目的がありました。
映画「グラスホッパー」の蝉がとても美しかった山田涼介さんを見まくる。「左目探偵EYE」とか見ちゃう。ずっと傾城の美少年を見続ける。
そんな三泊四日になる筈だったのですが、私がふと観た「いただきSUPERハイジャンプ」のせいで予定が若干変更になりました。
山田涼介さん見たさに観ていたその番組で、なんか牛タンを焼いていた。
「牛タンめっちゃ美味しそう……仙台に行きたいなあ。仙台……」
そして調べると、宮城県ではMOVIX利府でまだ「グラスホッパー」が上映中だと判明。
「7日仙台に行かない? 牛タン食べて『グラスホッパー』観てお鮨食べようよ」
友人に持ちかけると、友人も行きたいとのこと。
7日は仙台でホテルを取って、5日と6日はうちで過ごしました。
なんというかですね。久しぶりに若手のジャニーズアイドルを真剣に見続けたのですよ。
熟女が二人で何を見ても、
「かわいい」
「かわいい」
「かわいいね」
「すごくかわいい」
言い続けるわけですよ。
しまいには、
「世界の猫歩き観てるみたいじゃない? あたしたち今。右に動いても左に動いてもかわいいしか出てこない」
猫とかモルモットとかウサギの映像ずっと見てるのと変わらんなと。
これじゃいかんと翌日はアクティブに、「はせ川」でラーメン、私の両親が結婚式を挙げた後全焼した「伊佐須美神社」で初詣、会津美里町本郷焼「樹ノ音工房」で絵付けと買い物。
そのまま東山温泉「瀧の湯」に行きました。
日帰り入浴させてもらって、もう、瀧のそばの露天風呂から全く動けない。
「極楽浄土……」
二時間ぐらいお風呂に入って出ると丁度、昨日原稿をお渡しした担当さんから携帯に電話が入りました。
とても嬉しいありがたい言葉が聞けて、なんていい日なんだろうと幸せを食みました。
「ねえ、あたし死ぬんじゃないかな? ずっと楽しい。ずっと幸せ。なんて素晴らしい年明け。事故にでも遭うのでは」
「なんて幸せに慣れてないんだ。死ぬならあたしが帰ってからにしてや」
死ぬんじゃないかと言い出した私の運転で友人は酒店で日本酒を購入して、夜は「弦や」で日本酒三昧。
帰宅後、またずっと「世界の猫歩き」です。
「左目探偵EYE」とか見ながら熟女が二人で、
「かわいい」
「かわいい」
「動いた。かわいい」
「喋った。かわいい」
ずっともう「かわいい」しか言わない。
このままではいかんと、翌朝会津若松から高速バスで仙台に行きました。
この辺りで私は、自分の脱稿後の脳内麻薬が切れ始めるのを感じました。
「なんか……真っ直ぐ歩けない」
気づくと肉体はボロボロであった。
しかし到着してすぐに、「一隆 本店」の牛タン定食チャージ。

美味しい。とにかく美味しい。
三越でバーゲンに参戦しようとするものの三越のバーゲンは始まっていなくて、「ずんだ茶寮」でずんだを食べて利府に移動しました。
知ってた。
車社会なのは知ってた。歩いて行く感じじゃないのは知ってた。
でも言いたい。
広すぎるよ利府!
駅から映画館までは徒歩15分くらい。
しかし映画館が見えてから、何処から入ったらいいのかわからない。
そして広大な敷地の中に、映画館、ドラッグストア、ショッピングモール、ファミレス、そして広すぎる駐車場。
「あたし腰が限界……ドラッグストア行っていい……? 湿布買いたい」
言い出すのを躊躇うほど、駐車場の向こうのドラッグストアが遠い。
友人が快諾してくれて湿布を買って、よろよろ映画館に入る。
この映画館の中がまた広すぎる。
12のスクリーン。湿布を貼るとめにトイレに行くと、それが果てにある。
トイレを出ていくつもの映写室を通り越しながらかなり歩く。角を曲がるとまだ映写室が並んでいる。
奥から二番目の映写室に入ると、またその中がすごく広い。
見やすいかと一番後ろの席を取ったので、その席の遠さを見上げて私は絶望に膝をつきたくなるくらい何もかもが広すぎる利府。
「あまりの広さに笑けてきた……」
「あたしも……」
二人で「広い、広すぎる」と呟くうちに「グラスホッパー」が始まり、ニコニコしながら堪能。
本当は私たちは翌日も「グラスホッパー」を観ようかと思っていた。
「『グラスホッパー』は観たいけど、この映画館にもう一度来るのが無理……」
「全てが広すぎんねん。利府」
広すぎる利府に別れを告げて、仙台に戻り「三日月」で東松島の生牡蠣などを堪能しました。

翌日は「キリンビール仙台工場」を見学に行くことに。

これは1日1缶呑んでも2500年くらい掛かるほどビールが入ってるタンクだそうです。
この工場見学がですね。
とても楽しかった! 行った方がいいよ!
一時間ぐらい掛けて、とてもかわいらしいものすごく勉強家の案内嬢が工場内を見学させてくれます。
あ、キリンビールの工場は全国各地何処でも見学に行くと、キリンビールの工場でしか観られない嵐のメッセージが観られるよ。 私と友人はなんだか相葉ちゃんの映像に爆笑しました。

上のものが最初のラベルだそうです。

これは、戦時中英語が一切使えなくなったときのラベル。
震災の折津波が押し寄せて工場のみなさんが屋上に避難した様子や、大きなタンクが4つも倒れたものの工場も再始動して、地域産業の復興にもキリンが力を尽くしていることなどを知りました。

最後は生ビールを三杯呑ませてくれます。
仙台工場でしか呑めない「仙台づくり」にはお米が使われているそうで、とても美味しかったです。
大満足で仙台行きの電車に乗り、
「あの案内してくれた女の子、研修生なのにすごい優秀だったね」
私がそう呟くと、友人は名札に「研修生」と書いてあったことに気づかなかったそうで突然、
「あの子……うちで働いてくれんかな……」
と言い出しました。
友人の勤め先は今少々大変で、新入社員を求めたりしています。
「あんたんとこ大阪でしょ。あの子地元の優良企業に就職したばっかりだよ……やめてやれ」
「でもあたしはあの子が欲しい」
「いい加減仕事のこと忘れなよ……」
友人は、美味しいけれど内装が適当な店に入れば、
「コスト問題のバランスやな……食材にコストが掛かり過ぎてんねん……」
と、コスト問題を語り出し、百貨店が7時閉店だと知れば、
「百貨店が7時閉店ってどういうことやねん! OLが間に合わへんわ! 7時なんてどんな店でも開いてるっちゅうねん!!」
百貨店の姿勢を問い始める。
「頼む仕事のことは忘れてくれ!」
「忘れられへん!」
そんな私たちでお土産を買って、「北辰鮨」仙台駅一階にイン。
日本酒を三合呑んで、海鮮に唸る。

この辺で私たちに限界のときが訪れた。
「今3時……7時に帰ろうとしていたけれど……もう……体力が限界……」
「知ってたで、あたしはこうなることは想像しとったで。めっちゃ強行軍やであたしら。このままやとほんまに死ぬで、物理的に」
「二時間早く帰ろうか……」
「そうしよう……」
ふらふらしながら5時前には「楽しかったー!」と別れて、私は高速バスで会津若松へ。
バスの中で爆睡するも、バスを降りて数歩フラフラよろけながら歩いたところで前から歩いてきた大学生風男子に、
「大丈夫ですか!?」
と、手を伸ばされる。
「私……大丈夫じゃないようだな……」
そのまま私は駅の近くのスーパー銭湯で二時間ぐらいぼんやり温泉につかりました。
体力をチャージして帰宅し、お土産を広げてみた。
「キリンビール仙台工場で、明らかにテンションが上がりすぎた……」
私のお土産の中には、何故、これ、買った、みたいなキリンのマークのジャケットが……しかもサイズがでかすぎる。
そのくらいキリンビール仙台工場見学は楽しい。
なんと無料です。
脱稿した原稿は、三月くらいに本になるといいなあ。
そんな年明けです。
今年もよろしくお願いします。
- 2016/01/09(土) 00:30:49|
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