ただの日記です。
企画さんと、中屋敷さんと、制作さんと、四人で打ち合わせしたときのことでした。
私が基本BL作家だということで、私を知っている方、もしくは私のことを検索した方などだと思うのですが、
「このリーディングドラマBLですか?」
と、聞かれるという話を中屋敷さんが始めました。
最初は、BLだと期待していただいているなら違うと言わない方がいいのか、BLなら観ないという方もいるかもしれないから違うと言った方がいいのか、とかなんかそんな簡単な話でした。
しかしなんでも深く潜って考える方なのか、そこから、
「そもやBLとはなんぞや」
と、いささか哲学的な次元に話が移っていきました。
「紀伊國屋のBLコーナーに行くと、え? これもBLなの? というような本も並べてあって、境目がわからない。BLってなんですか?」
そこから、中屋敷さん、制作さん、企画さんの三人で、BLとはどういう定義のものをBLと呼ぶのかという議論が始まりました。
私と同じ立場の方はよくわかると思うのですが、こういうとき当事者はただ口を噤むのみです。
BLに限らず、自分が渦中にあるものは、却って外側にいる人に説明しにくいことってないですか? 説明しにくいし、特に説明する必要もあまり感じないというか。正直、興味のない方にどう定義されてもどうでもいいです。私はですが。
私はいつまでも黙ってその話を聞いていても良かったのですが、会議室の使用時間がきっちり決まっていたので、全くBL業界の方ではない三人の「BLの定義」トークは果てない終わらない答えが出るわけがないし、それは時間がもったいないなと思ってぼんやりと口を開きました。
「BLは」
すると、三人は水を打ったように静かになりました。
本家本元BL作家が、BLをきっちり定義するのを期待したのでしょう。
正直、なんのあてもなく話を終わらせようと口を開いただけなのに、ガンダーラは何処ですかくらいの勢いで答えを期待されている空気に困り果てました。
私は人の期待には、なるべく応えたい律儀な人間なんです。
「海です」
私はあまり嘘は吐かないと思うのですが、たまに適当なことを言うときがあります。この「海」何処から出て来たのか、さっぱりわかりません。
「東シナ海とか、あります」
なんで最初に出て来たのが東シナ海だったのか、自分でも全くわかりません。
「大西洋などもあります」
三人は、多分真面目に言葉の意味を必死に汲み取ろうとしてくださっていたのか、私を凝視して話を聞いていました。
「それぞれみんな全く違う海ですが、大きく言えば海は一つです」
なんであんなことを言ったんだろう……。
「紀伊國屋さんがBLコーナーに置いたら、それはBLです」
最後は紀伊國屋さんに、丸投げしました。
形のないBLを、勝手に定義したことを全てのBLに関わる方に謝罪したい。
BLは、BOYSとLOVEの略称です。
そんなに難しく考えないでください……。
- 2015/11/11(水) 00:09:52|
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