菅野彰

菅野彰の日記です

「朝彦と夜彦1987」を終えて/役者さん達

 ここは本題と無関係な、前置きです。
 一応書きたいように書いたのち校閲していただいたのですが、驚くほどの赤字と削除が入り、改めて大変な立場でお仕事をなさっているみなさんなんだなと思いました。
 その消えた部分は、私から見て、役者さんたちのファンの方にお伝えしたいなと思った彼らの素敵だと思った部分なので、お伝えできないのは残念ですが、とてもデリケートなお立場なのだとも知りました。
 消えた部分も含めて、みなさんとても素敵でした。
 そんな訳で私としては、文章の辻褄が合っているのか不明だというかつてない不安がありますが、文字量のバランスの悪さなどはそういう理由なので、ご理解いただけますと幸いです。


 本題です。役者さんたちのこと。
 普通に、特撮も2.5次元舞台も観る私です。
 キャスティングの決定権は私にはなかったですが、意見は求められたし、四人とも決まる前からなんとなくは知っていました。観ていた舞台に出ていらしたこともあります。
 二十五歳前後、俳優、そして人気商売でもある彼らの気持ちは、正直私にはまるで想像できません。全くわかりません。終演した今も、わかりません。彼らはもう次の道を走っていることしかわかりません。
 ただ、ダブルキャストと決まったとき、四人を絶対に比べたりしないとそれだけは決めました。特に同じ役を演じる二人を、比べないと決めました。
 それぞれのいいところを受け止めたいと、決めました。
 なんていうか、私彼らの親御さんの方が年齢が近いですから、うちの子感みたいなのを感じてかわいいと思ったりするのかな? とか思ったりもしました。そういうの自分が感じたらちょっとやだなと、惑ったりしていました。中途半端に知ってるから、余計に。変なひいき目が生まれたらいやだなと。普段の私は、日常的に若手俳優さんの舞台を観て、楽しくしてますから。
 彼らは役者ですが、多くの人に好かれることもお仕事の中に含まれるかと思います。ましてや作者である私に、好意的に接してくださるのは、大前提でもあるはずです。もちろん心があると感じたら、それは素直にありがたく受け取りますが。
 しかしそもそもそれが彼らの仕事なのに、その仕事に惑わされてかわいいと思ってしまったら、自分がやだなと思いつつも、正直そうならない自信はあまりありませんでした。みなさん素敵な青年です。普段は身近にお会いする機会もありません。それだけ私は、彼らの魅力を恐れていた訳です。
 全くの馬鹿馬鹿しい、杞憂でした。
 私が想像していたよりはるかに、彼らはプロであり、そして強かったです。
 彼らは、私のそういうよくわからない自分への不安のようなものを、彼ら自身の力で完全に超えて来ました。
 ただの表現者として、一人一人、全く違うところで尊敬させられました。
 対等な立場にいることを、教えられました。
 今回この現場の中にいて、今までにない感情を一つ得たのは、私は紛れもなく大人であるということです。別にそんなこと全然知りたくなかった。
 もし、私が若く才能ある彼らに何か一つでも分けられることがあるのならば、成長への力になれるためのことのみだとも、思いました。その他のことは彼らには、私からは全く必要ないです。
 とにかく嘘をつかずに、誠実に本当のことを言う。
 私にできるのは、それだけだと思いました。
 彼らはとても強いし、望まなかった言葉でもきっと力に変えてくれる方々だと、信じられました。
 感謝はあるけど、変な情はだから、逆に今もないです。四人ともに。素晴らしい、そして私からはとても遠い役者さんです。
 終演後直接役者さんに感想を伝えられるという特殊な環境でしたが、必要がない限り楽屋には近づきませんでした。
 企画さんに男子校の先生になったと思ってくださいと言われて、彼ら普通に裸で歩き回るけどそういう生き物なので慣れてくださいと言われたものの、特に慣れることもないのであまり訪ねませんでした。
 そして終演後の彼らはとても清々しくはしゃいでいたりするので、私は私で余韻を持ったまま劇場を出たいという複雑さもあり、毎回は顔を出しませんでした。
 とにかく情報解禁から初日まで、21日という異常事態です。
 過酷だったと思います。ありがたいです。
 過酷なのは、脚本が本当に過酷でそれも見ていて申し訳なくも思いました。
 私の全く口語体でない言葉が、とても読みにくいと今回改めて思い知りました。知っても特に変える気はないんですが、かなり実感はさせられました。
 声優さん達とお仕事させていただいていたときは、年齢が私より上の方も多かったのもあってか、
「あんたの代わりにあたしがあんたの仕事してやろうか! 噛んで噛んで噛みまくりやがって! 脚本にわざと早口言葉入れてやったらごまかしやがったわね!」
「俺がおまえの代わりに脚本書いてやる! 句読点がやたら少ない超長文で読みにくいったらありゃしねー倒置法ばかりの脚本をな!」
 と、年末の疲れからか真っ直ぐ本当のことを言われて大喧嘩することもできました。「あなたの町の生きてるか死んでるかわからない店探訪します」から一部抜粋。
 この登場人物はキャラ立っているので極端ですが(とてもいい方なんですよ……)、他の声優さんにも、
「あのさ……人間はさ、実はあんまり『あ、あの』とか言わないんだよ……母音を重ねるのやめろよ……」
 とか言われたりして、それはとても勉強になりました。
 だから、よく知ってたんですが、そもそも私の書く台詞がとても租借しにくいということは。
 この声優さん達が言ったことは本当で、それを更にリーディングドラマとして80分ノンストップ二人きりで演じなければならない過酷さには、人間のしていい範疇なのかというレベルで申し訳なく思いました。そら十二年間上演されなかった筈だとも、思いました。
 今回知ったのは、生きてる人間は、80分これだけのこと言わされたら、普通に噛むということでした。生きてる証だくらいの勢いです。
 彼らが多分ですがそのことに苦しんでいたので、本当に悪かったと思いました。
 こういう罪悪感を持たれるのも彼らは不本意かもしれませんが、いっそ声優さん達みたいにはっきりと私を叱ってくれたらとも思うけど、いかんせん彼らは私の子どもでもおかしくないような年齢です。言えるわけないよね……。
 たまたま四人のうちの一人と、少し長く話す時間がありました。
 とても真面目だし真摯だし実力もあるし、彼はネガティヴではないと思うのですが、相手のペアを正視できない、追いつけていないというようなことを彼は繰り返していて。
 誰一人、誰にも、何にも、劣ることはなかったのは本当です。少なくとも私はそう思っています。
 ただ、演じた人、観た人、その全員の中にある正解が全て正解であったように、原作者である私の持っている正解と、自分の出した正解が違うかもしれないことに、彼は不安を感じているとも知りました。
 全く言うつもりはなかったのですが、これが毎日全力を尽くしてくれたプロの表現者である彼らへの私なりの誠意だと思い、最後にはそれぞれに伝えることにしました。
 これは彼らだけが、知っていることです。
 一方のペアは、私の想像に近いものを出してくれました。それはやはりとても嬉しいことで、ありがとうと、お礼を言いました。物語を書くときに、私にはそこに何かしら伝えたいメッセージがあります。今回に限らずです。彼らは私が伝えたかったことを、多分たくさんの方に伝えてくれたと思い、本当に感謝しました。
 一方のペアには、全て終わってから、どうか真っ直ぐ聞いてくださいとお願いして、私なりに言葉を尽くしました。正直想像もしなかったものが出て来たけど、この物語と、それを演じる役者さんの私は知らなかった可能性と力を、お二人には教わりましたと、お礼を言いました。そんなことができる力があるお二人が凄いと思いました。
 本当にどちらにも感謝なので、私の気持ちがそのまま伝わっていることを、願います。

 正直、今も彼らのことが全くわからないし、若者達のプライドの置きどころも私には理解するのは無理なので、私の感謝や敬意がもし万が一彼らやファンの方を傷つけることがあったらと、それはとても不安です。
 けれど敬意を込めて正直に、なるべくライトに、一人一人に触れたいです。それぞれのいいところに触れたいので、どちらかの何処かを上げたからといって、それが同じ役のもう一人のそこを落とす意味ではないことだけ、よくよくご理解ください。
 クレジット順です。


「松島庄汰さん」
 舞台以外で彼の声を、聞いた記憶がありません。
 ご挨拶するときいつも隣に松田さんがいらっしゃって、松田さんがハキハキ話して、
「な! 庄汰!」
 と、松島さんの足を叩いて、松島さんが頷くという光景ばかりを見ていた気がします。
 ファンの方はよくご存じだと思うのですが、一番スケジュールが過酷だったのは彼でした。
 ドラマの撮影の合間を縫ってのことと聞いたとき、正直私は、そんな無理をさせたら悪いなと思いました。すみません、実はたまたま私は「仮面ライダードライブ」をちゃんと観られていないのもあって、松島さんのことを一番知らなかったのです。
 そんなにお忙しいのにお体大丈夫なのかなとか、彼をまるで知らないので心配しました。
 結果、私は今、松島さんにだけは土下座して謝りたい気持ちでいます。
 本当に大変なスケジュールなのに、毎回、本当に全力でした。二年ぶりの舞台出演だと伺いましたが、不安だっただろうに、心を折ることなく頑張り通してくれました。
 笑いどころの湧かせ方も本当に上手くて、楽屋での暗すぎる彼が嘘のようで、本人との落差がすごかったです。
 舞台の上では堂々としているのに、楽屋で見かける彼は何かいつも心細そうで。
 私はよく知らなかったのですが、本番の前に通し稽古をしていたそうです。死んでしまうよ。
 もしも最後まで彼が不安なままだったら申し訳ないですが、最後の最後にお礼を伝えたときには、やっと目を見てくれたような気がしました。
 松島さん自身にも、やりきった気持ちがあったなら嬉しいです。
 私には彼はやりきったように見えました。
 彼の朝彦は本当にかわいそうでかわいそうで、何度も泣かされました。これは友人達も言っていたことなのですが、普通さが良かったです。特別な人ではない。だから、こういうことになったという、説得力がありました。
 もしかしたら彼が一番文字数が少なくて、それがファンの方を不安にさせたらと思うと心配ですが、すみません彼は私には舞台の上でしか生きていなかったので、それ以外のエピソードがないんです。ゼロです。
 そのぐらい、力を尽くして生きてくださいました。
 心からお疲れ様と、ありがとうを言わせてください。


「松田凌さん」
 とにかくすごい情熱だなと、思いました。お芝居への情熱が常に溢れ出ていて、「あちっ」みたいな感じでした。
 これは良かったのか悪かったのかわからないというか、それが結果通ってしまったのか私は知らないのですが、意見を求められたときに写真だけ見て松田さんは夜彦なのではと企画さんに言いました。
 ファンの方々には、こちらのペアは逆のイメージだったみたいですね。
 すごいなと思ったのは、彼は多分とても美しい顔をしているんだと思います。写真を見ても思ったし、ご挨拶したときも思いました。
 でも舞台の上というか、夜彦になると、その美貌邪魔だと思うのか消すんですよね。
「あれ? こんなにくすんでた?」
 舞台の上の彼を観たときにちょっと驚きましたが、敢えてなんだなと、それがそら恐ろしいと思いました。
 舞台を降りると、明るいしポジティブだし、前のめりなぐらい前向きだし。
 役者さんには当たり前のことかもしれませんが、違う人物になれるんだなと、びっくりさせられました。
 ゲネプロであんまり叫ぶので、
「最後まで喉を労ってください」
 と、お願いしましたが、余計な心配でした。
 毎回全力で叫んでいました。
 彼の夜彦がトラウマになった方も、いたと思います。私は叫びが耳から離れなくて困ったよ。
 彼を見ていて思ったことは、とにかくたくさんの方が彼をとても愛しているということでした。
 事務所の社長さんがゲネプロに来てくださって、実は物語の中で話に出てくる80年代アイドルを、実際に担当していた方でした。
 企画さんはそれを黙っていて、私に紹介しました。
「彼女の担当だったんですよ」
 そう言われて、私は思いも寄らぬ事態に声も出ませんでした。ちょっと失礼な描き方をしているんです。
 しかし、とても柔和に笑ってくださって、
「当時のことを正確に描いてくださって、ありがたかったです。いい本でした」
 そう私に過分な言葉をくださる、とても素敵な方でした。
 きっとお忙しいのだろうに、松田さんのためにゲネプロにいらっしゃったのだと驚きました。
 これは今回出会った方々を見ていて総じて思ったことですが、誰かに愛されるということ、信頼されるということはその人の財産になるだけでなく、とても大事な身分証明書になるということを知りました。
 私が企画さんを完全に信じた瞬間は、こいでさんの肩を掴んで彼女が、
「私のとても大切な人なの」
 と、どなたかに紹介した瞬間でした。私の大切な友人をそう語る彼女を、なら私も心から信じようと思いました。私と企画さんには、こいでさんにおいて共通認識がある。それは大きなことです。
 松田さんは、そういう大きな身分証明書をたくさん持っている方でした。
 本当に、ありがとうございました。


「桑野晃輔さん」
 ものすごい安定感です。なんの不安も感じさせない方です。桑野さん自身が持ってらっしゃるあたたかい雰囲気が、観ている方を安心させたこともあったかと思います。
 でもその安定感は、彼のあまりにも真面目で前向きな努力の上に成り立っていることを、知る場面もありました。
 前述しましたが、正直私が書いた台詞を一度も噛まないのは、人間には無理だと思います。
 そのことに一番真面目に苦しんでいたのは、彼なのではと見ていて思いました。二公演目のときに、多分それが辛かったのかなとは私にも伝わって。
 でももう始まったらあれこれ言いたくないので、たまに明らかにイントネーションが違うのを企画さんに言うくらいで口を出したくなかったのですが、彼の真面目さがあまりにも痛くて。
 私の領域ではないので、中屋敷さんにお伝えして中屋敷さんがいいと思ったら桑野さんに伝えていただこうと思ったら、企画さんがすっ飛んで来たんです。私が中屋敷さんに話があるなんてよっぽどだと彼女は慌ていて申し訳なかったんですが、そうじゃなくて中屋敷さんが良ければ桑野さんに伝えて欲しいことがあると申しましたら、いきなり桑野さんの前に連れて行かれました。
 人間て、こんなに小さくなれるんだと驚くほど、彼は落ち込んでいました。
 超要約すると、生きてる人間は噛むものだから、それは問題じゃないので恐れないでください。
 噛んでいいよと、私は言ったんです。
 私が怒ったりしたらどうするつもりだったのと、後で企画さんを責めましたら、
「あたし、勝負強いから!」
 と、笑ってました。やめてよそういう一か八かみたいなの!
 そしたら夜公演、彼は全くそんな言葉に甘えることなく、そこを越えて堂々と演じてくださいました。
 17歳と30歳の演じ分けにも、驚かされました。30歳を演じているときは、瞬時に疲れた高校教師に変化する。声から肩の落ち方から変わって、なんの惑いもなく時間の変化が伝わりました。
 本当に、ずっとかっこよかったです。若手俳優にノー興味の私の友人が桑野さんにメロメロになっていて、突き落としてしまったと思いました。でもこれから先も桑野さんのお芝居を観ることは友人にも財産になると思うので、何も罪悪感はないです。
 本当に、ありがとうございました。
 

「法月康平さん」
 桑野さんが苦しんだ理由の一つだと私は勝手に思っているのですが、彼だけ、ゲネプロから千秋楽まで、私の認識が確かならただの一度も噛みませんでした。恐ろしいです。桑野さんはそれは自分だけが噛んでいると思い込むと、思いました。
 法月さん自身は、
「すごいね全然噛まないね」
 と、言えば、
「言われたことやってるだけっス」
 みたいな感じです。
 闇落ちするときに突然目から光が消えるところとか、どうしてるのすごいねと何度か言いましたが、打っても打っても響かない。無自覚。美しい天才でした。
 私はミュージカルが好きなので、彼のお芝居はいくつか観ていて、決まったときは、
「ストレートプレイもなさるんだ」
 と、思ったりしました。
 すみません。四人とも同じ熱量同じ文字数で語りたいんですけど、私は彼に関してはちょっと長くなるかもしれないので、言いたいことがあるから読む方もそこは堪えてやってください。
 別に思い入れとかじゃないんです。別にこれツンデレじゃないです。私のエッセイストとしての血が騒いで、その件を語らずにはいられないんです(と、前置きしていますがだいたい削除になりました。残念)。
 ゲネプロ前に直接会った唯一の役者さんが、法月さんでした。
 たまたま打ち合わせのときに彼が「仮面ティーチャー」に出演していて、それを観ました。関係者席が遠く出演者の人数も多くて、大変申し訳ない理由なんですが、私はこのとき集中して法月さんを観ることができませんでした。
「どうでした?」
 終演後、企画さんに法月さんをどう思ったか聞かれたと思うんですが、
「ごめんなさい……なんかこの話、私が知ってる話と全然違うのでそれが気になって気になって。え? 法月さん? あ、ごめんなさい生徒役もいっぱいいたし」
「何が違うんですか?」
「いつパンツ被るのかなって、ずっとそれが気になってたんですけど。最後まで主人公パンツ被らなかったから驚いて」
「菅野さん、それ、変態仮面ですね」
「え? あれ? なんだっけこれ」
「仮面ティーチャーですよ」
「覆面もしないし」
「それけっこう仮面ですね」
 わざわざ連れて来た企画さん、かなり切れてました。
 すみませんそんな訳で、観てると普通に話を追ってしまう私は、ずっとパンツ待ちで法月さんに集中できていなかった。
 たまたま「仮面ティーチャー」を存じ上げなかったことは、本当に申し訳ないです。舞台自体は楽しい作品でした。
 楽屋で法月さんを紹介されました。
 正直に言いますと、今回最も不安にさせられたのが、間違いなくそのときでした。
 限りなくキョトンとしているように見えて、いやいやいやいや大丈夫なのこの子!
 と、私を恐怖のどん底に突き落としてくれたのが、彼でした。
 翌日、松田さんと桑野さんが出演している「黒いハンカチーフ」を楽しく観ましたが、彼らには会わずに帰りました。もうこれ以上不安になりたくないととっとと帰りました。
 むしろ松田さんと桑野さんにお会いしておけば、こんなに不安にはならなかったのにと今は思います。お二人はこの楽屋で、どちらの役をやりたいかという話をしていてくださったそうなので。
 後から聞いたら、法月さんは本番中なので、次回作を全く知らなかったそうです。
 観た方はよくわかると思うのですが、法月さんはとても美しい儚い夜彦でした。
 私は台詞が全部頭に入っているので(いやな原作者だと思います……だけど十二年も手元にあったんだからしょうがない)、彼が語尾の一つも何も言い換えないことにはただ感動しました。何一つ言い換えませんでした。
 最後にテキストをお渡ししたときに、いくらなんでもこれは現代口語じゃなさ過ぎる書き換えるべきだと最後の最後まで悩んで、でも私には意味と思い入れがあるので変えたくなくて、そのまま委ねてどうなるのだろうと思っていた語尾も、彼は自然にきれいに落としました。そんな風に聞けるとは夢にも思わなかったので、驚いた。そのことには本当に感謝しています。
 観た友人達に、
「あの子大好きでしょ? 自分で選んだんでしょ?」
 と、聞かれるたびに、
「違う! 絶対違う!!」
 と、全力否定し続けました。
 楽屋での彼はまるで夜彦とは別人だし、お願い待って、余韻くださいとも思いました。
 私が客席で普通に泣いていたことは気づいた人は気づいたと思うのですが、公式にはあまりバラされたくなかったのに、彼にはクロストーク等でうっかりバラされて、千秋楽が終わったらバラバラにしてやりたいと思うくらい恥ずかしかったこともありますが、限りなく大きな未来のある方だし私もまだまだ彼の芝居が観たいので、そこは堪えます。
 毎日友人に全力否定し続けましたが、すみません今は役者さんとして大好きです。
 本当に、ありがとうございました。


 彼らが今後舞台に立つときに、普通にプレイガイドでチケットを自分で買って観に行きます。
 それが私の彼らへの感謝であり、私なりの最大の敬意です。彼らの仕事に、対価を払う一観客になります。
 松島庄汰さん、松田凌さん、桑野晃輔さん、法月康平さん、本当にありがとうございました。
 お疲れ様でした。
  1. 2015/11/07(土) 02:00:00|
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