この間友人と、買い物をした。
「私、今日はっきりしたビジョンがあるの。今の季節羽織るとあったかくて、夏は冷房よけになるストール」
「カシミアだね」
「その通り。カシミアが欲しいのです」
私はカシミアのストールが欲しかった。
そして二人で百貨店へ。
折しも20%引きだという。カシミアでも少し安く買える。
山のようなカシミアを、広げては羽織り、広げては羽織り。
なんだかどれも、羽衣みたい。薄くて軽いから。でもとても気持ちが良い。しかし色とデザインがピンと来ない。
そこに友人が、
「これかわいくない?」
と、私に刺繍のしてある大変かわいらしいストールを羽織らせた。すごくかわいい。今までの中で一番それがいい。
でも、それはインド綿だった。
「一番しっくり来るよ」
「そうだね……」
友人にも言われたものの、私はしばらくそのインド綿を羽織ったり、カシミアを羽織ったりを繰り返していた。
すると横から友人が、
「カシミアが欲しかったのに、インド綿がしっくり来てしまい、しかしカシミア心が忘れられない菅野であった」
と、横から私の心を読み上げた。
「その通りだよ! ……でも私はこのインド綿を、買います」
お買い物は安上がりに済んで、インド綿はとてもかわいらしかったが、カシミア心が未だに残る私であった。
- 2012/04/23(月) 14:16:20|
- 日記
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