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菅野彰

菅野彰の日記です

「レベッカ・ストリート」(ディアプラス文庫)10月10日頃発売/10月1日初回特典情報追記

 10月10日頃、「レベッカ・ストリート」(新書館ディアプラス文庫)が発売になります。
 ご存じの方もいらっしゃるかと思いますが、この本は1995年にノベルとして発行されたものです。
 10年くらい前から出し直したいというお話をいただいていて、この10月に文庫化されることになりました。
 「HARD LUCK」の文庫化の時にほぼ手を入れなかったので、そんな感じになるかと思い安易に快諾して、結果、一文を除いて全文を書き直しました。
 じゃあ違う話になったのかというと、話は変わっていないと思います。
 こんなにも書き直すことになると思わなかったので、書き直している間中、
「担当さんは何故この話を欲しがってくださったの? こんなことになるんだったら新しい話を一から書いた方が良かった!」
 毎日そう思いながら地獄のような夏を過ごしておりました。終わりが見えない。何度も頭に戻る。
 けれどようやく直し終えて、今この物語と向き合って良かったと思いました。
 実際に書いたのは22年前になりますが、私は今もそのときと、書きたいことは何も変わっていないと知りました。
 今の私がもし多少飲みやすいカルピスだとしたら、「レベッカ・ストリート」はカルピスの原液みたいな物語です。私にはとても、大切な物語でした。
 しかし若書きというやつで、何もかもがふわっとした知識で書いてあり適当な状況描写が乱舞していて調べ直したことも多く、一ヶ月掛かりました。
 舞台は、1996年のニューヨークです。当時はそのときリアルタイムのニューヨークだったわけですが現代に直せない理由があり、90年代のニューヨークのままで書き直しました。
 ノベルの時のイラストは、高口里純先生に描いていただきました。アシスタントとして友人がたくさんお世話になっていて、その友人たちから先生が今仕上げているイラストがどんなに素敵か電話をもらったりしたことを思い出して、少し涙が出ました。
 今回美しいイラストをくださった珂弐之ニカ先生は、BL文庫の挿画を担当するのは初めてとのお話です。
 何か、感慨深い気持ちになりました。
 この物語にはシンとハルが登場しますが、「HARD LUCK」のパラレルのシンとハルで少し違う二人です。けれど思えばシンとハルも、松崎司先生、高口里純先生、峰倉かずや先生、そして今回の珂弐之ニカ先生と四人の素晴らしい作家さんに描いていただいてただありがたいばかりです。
 脱稿した日に担当さんから、私の書いたもので最初に好きになってくださったのは「レベッカ・ストリート」だったと聞きました。その話は初めて聞きました。
 長いおつきあいの担当さんの手元から新しく「レベッカ・ストリート」が出ることが、私自身とても嬉しいです。
 この話には、書きたい続きがありました。プロットも書いてないのに22年経ってもまだその話を覚えていて書きたいので、それも書かせていただくことになりました。続きの刊行は、来年を予定しています。
 カルピスの原液、どうかよろしくお願いします。

●10月1日追記●
 見本誌が届きました。いつになく捲るのに勇気が要る本です。それだけ力を込めました。
 本編には書き下ろしがあります。カイルと幸也の出会い、つきあい始めの話です。

 そしてディアプラス文庫恒例(なのかな?)初回特典ペーパーもあります。
 こちらは本編のあと、クリスマス前のカイルと幸也の短編です。本編が割となんというかこう寒めなので、付録短編は二人にしてはかなりの甘めにしました。かわいい話になりました。
 このペーパーは私の感覚で言うのは危険ですが、すぐになくなるということはないように思っていますが……お近くの書店さんを訪ねてみてください。書店員さんも全ての販促物を把握し切れていない場合があるので、該当書店さんでもしペーパーがついていなかった場合その場で申告してね。
 WEB書店での通販もあります。お近くに協力書店がない場合は、WEB書店をご利用ください。
 読んでいただきたいペーパーです。
 よろしくお願いいたします。
「レベッカ・ストリート」特典情報
「レベッカ・ストリート」初回特典ペーパー協力書店さん一覧

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  1. 2016/10/01(土) 13:14:03|
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