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菅野彰

菅野彰の日記です

「オーディオドラマの音源を探しています」

 大山鳴動して鼠一匹出ずという可能性がとても高いので、どのようにこの記事を書いたらいいのか悩んでいたのですが。
 「デコトラの夜」のオーディオドラマの音源を探しています。
 すみませんがなるべくコンパクトに、ご説明させてください。
 このオーディオドラマに、私は原作者としてではなく、原作の帰属する出版社の許諾を得て脚本家として参加しました。時間としてはかなり前のことになります。
 発注元はA社、制作はB社で、出版社とは関わりなくフリーで受けたイレギュラーな仕事です。
 何故そんな仕事を受けたのかと言われれば、オファーを持ってきた仲介者を信頼してのことでした。当時私はオーディオドラマの脚本をいくつかやっていたということもありました。
 このオーディオドラマには完パケ(編集されてSEが入り商品として成立する完成品)が間違いなく存在するのですが、私の手元にはなく聞くこともできていません。
 私は脚本家として雇われただけなので、この完パケに対して私には一切権利がないのです。完パケは「世界に一つ」の状態で発注元に制作が渡すのが契約で、A社以外の何処も持つことができません。
 仲介者を通してこの完パケがどうなったのか何度か確認して来ましたが、ただ時間が過ぎてしまい、私自身が動こうと決めたのは去年でした。
 B社は確かに完パケを渡したけれど、A社は存在しないとの答えです。
 この辺の確認の経緯は、申し訳ありませんが考えるだけで疲れるので割愛させてください。
 どうしてこの記事を書いたのかというと、この完パケが持ち出されて誰かがダウンロード販売していたことが判明したからです。
 この件は、私には権利のない商品の話なので誰が販売したのか等追求はできないし、ごめんなさいそこまでは私もする気力がないです。
 ただ、この世にこの完パケが存在するとしたら、そのダウンロード販売で購入した方を探すしかもうないというのが現状なので、記事を書きました。購入した方は、このような経緯で販売されたことを知らずに買っているので、購入者に何か負債が生じることはないのでそこはご安心ください。
 大変申し訳ありませんが、もし購入して手元に音源が残っている方がいらっしゃったら、拍手コメントかサイトのメールフォームからご一報いただけないでしょうか。
 A社は権利を手放しているので、その音源が見つかれば今後どうするかをそれから新しい版元と協議します。
 出て来ない可能性が高いので、徒に皆様を騒がせるだけかと思い記事を書くのを躊躇っていましたが、後回しにしていいことでもないと思い書かせていただきました。

 この作品はもともと書き下ろし原作で漫画にしていただいたもので、私はそれを演出家指導のもとオーディオ用に脚本化しましたが、完パケに権利のない私がこの音源を探している理由は一つです。
 二人の役者さんがアフレコしてくださいました。
 お二人ともキャリアも実力もある方でしたが、演出家が映像畑の方で、普段は受けないようなダメ出しとリテイクを繰り返されたのではないかと思います。予定の収録時間は大幅に過ぎて終電もなくなりスタジオには酷い緊張感でいっぱいになりましたが、お二人とも愚痴一つ言わずに熱演してくださいました。
 深夜に収録が終わって、明日も朝早くから別のお仕事だというのに、役者さんの一人が留まってくださいました。
「とても勉強になる仕事で、自分はこの仕事で実力がついたと思います。この仕事ができて本当に良かったです。ありがうございました」
 深く頭を下げて行かれました。
 かなり前のことですが、そのときのことは忘れようもなく、それで音源を探しています。
 ファンの方にも届けたいし、何より私も聞きたいです。
 心当たりのある方は、お知らせください。
 どうかよろしくお願いします。

 最後に、大変身勝手ながらお願いがあります。
 検索するともしかしたら、この二人の役者さんがどなたなのかはわかってしまうかもしれません。その検索から出てくる会社は、持ち出してダウンロード販売をした会社ではありません。制作元に当たります。
 けれどどうか、騒がないでいただけたらと願います。
 まず完パケが出てくる可能性は残念ながら低いです。ダウンロード販売は短い期間に行われたようで、買った方がいたのかさえ不明です。
 そしてその音源が出て来たとして、使い物になる状態なのか、また音源があれば販売を考えると言ってくれている版元が実際どうするか。販売することになれば、予定の販売方法と異なるので役者さんの事務所と契約を交わし直さなければならず、今のところこの音源をお届けできる可能性は高くはありません。
 そういうものがあるのなら聞きたいというファンの方に、期待だけさせてしまうのは心苦しいです。
 出てくるにしても出てこないにしても、あのときの役者さんたちには謝罪してもしたりません。過酷な収録を見ていたので、音源が完全になかったらと考えると思うと私も言葉がないです。
 今後はこういった仕事を安易に受けないことを、強く心に留めていきます。自分には権利のない音源だと思わずに、原作者としてもっと早く動いていればと心から悔やみます。役者さん、ファンの方には謝ることしかできません。本当にごめんなさい。
 お騒がせする事項が続いて申し訳ありません。
 しばらくこの記事を置いて、どなたからもご連絡がなければ削除します。
 重ねて、よろしくお願いいたします。
  1. 2016/08/21(日) 13:30:32|
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