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菅野彰

菅野彰の日記です

「子どもにモテまして」/「小説Chara」「子供の言い分 新装版」発売中

 先日母が三回目の手術入院をしまして(計画的な外科的手術なので元気です)、入院中病院に通っていました。
 夜病院に行ったときに、入院病棟のラウンジで母と話をしていたら、
「ぶーん!」
 と、男児が私と母が座っていたソファの背から、真ん中に飛び込んで来ました。
「どうした僕。誰かのお見舞い?」
「おじいちゃん!」
 尋ねると男児は、元気に答えました。
「飽きちゃった? お見舞い」
 そう聞くと首を横に振って、離れていきました。
 母とまた話し始めると、今度は私の耳元に手が突き出て、彼は指を鳴らし始めました。
「いくつ? 何年生?」
「六歳! 一年生!」
「元気だね。得意な科目は何?」
「体育!」
「そんな感じだねー」
 と、しばらく一年生男児と話していると、女性と男の子が、廊下を歩いて行きました。
 すると男児は、
「置いて行かないでー!」
 そう慌てて走って行きました。
 多分しょっちゅういなくなるのでしょう。お母さんとお兄ちゃんは、彼がいないことに慣れている。
 その突然の弱気な「置いて行かないでー!」に爆笑しながら、「バイバイ」しました。
 すると母が、
「あんた久しぶりにモテたわね」
 と、言いました。
 なので、モテたにカウントしておきます。


 ツイートしたのですが、昨日はスーパーで五歳ぐらいの男児と交流しました。
「スーパーで、見ず知らずの五歳くらいの男児がクリスマスのお菓子の山を目の前で崩して、一緒に積み直していたら店員さんが飛んで来て、「すみません積み方が悪かったですお怪我はないですか?!」と、謝罪され、男児何も語らず、「いえ崩してすみません」と、私が謝り、赤の他人だと言えないまま帰宅。」
 このようにツイートしたのですが、140字で私の気持ちがイマイチ伝わらなかったらしく、友達に、
「災難だったね」
 と、言われたので、いや、私これ楽しかったんですと改めて日記。
 パトカーの形の箱にお菓子が入っているおもちゃが大量に崩れ落ちたのですが、店員さんが気づかなかったので、男児に「大丈夫?」と、声を掛けました。
「触ったただけなんだよ」
 男児は私に訴えたのですが、積み直そうとしたらまた崩れたので、本当にそうだったんだなと思いました。これは私と男児で積むのは無理だなと思って、
「お店の人にお願いしようか? お店の人呼んでもいい?」
 と、訊いたら頷いたので、
「すみません! おもちゃ崩れちゃったんですけど!」
 そう店員さんに声を掛けました。
 そしたら店員さんが飛んで来て、
「すみません積み方が悪かったですお怪我はないですか!?」
 と、慌ててらっしゃったので、責めたみたいになってしまったなと思って、
「崩してすみませんでした」
 と、謝りました。
 男児は黙っていたのですが、とにかくこのおもちゃが盛大に崩れたので、怖かったんだと思います。崩れたのも怖かったし、大人に怒られると思ったのかと。
「申し訳ありません。こちらでやりますので」
 そう店員さんに言われたので、
「ありがとうございます」
 と、男児とその場を一緒に離れて、そのまま別れました。
 私、間違いなくあの子のお母さんだと思われてるけど、「赤の他人なんです」と、言えるタイミングが何処にもなかった。
 おかしくなってしまって、笑いながらスーパーを出ました。
 実は私は、特にすごく子ども好きという訳でもありません。
 でもたまにこんな感じで、子どもと出会えると、ありがたいなと思います。
 育てる苦労はこんな、「ちょっと楽しかった」なんてものではすまないだろうから、子どもが元気でいる姿を見せてもらえるだけで嬉しいことです。
 って、なんかすごいいい人みたいなこと書いてますけど、自分で子育てしたことのないいい大人としては、個人的にはそういう気持ちです。
 Twitterのリプで、お子さんを持たれている方から「ありがとうございます」と言われたので、特に苦労もせんといっとき楽しい思いをさせていただいただけですと、言いたかったんだけど140字では無理なのでこちらで長々と書きました。
 更に言えば、私は子どもの頃ちょろちょろちょろちょろいなくなる子どもで、よく迷子になって知らない大人に保護されました。
 そんな子どもだったので、もらった恩はキャッチアンドリリース。

 諸々発売中についてはまた後日書きますね。
 よろしくお願いします。
  1. 2014/11/29(土) 23:53:59|
  2. 毎日晴天!