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菅野彰

菅野彰の日記です

「ゴールデン・ウィーク」/「Wings6月号発売中」

 花を眺めて、酒を飲んで、花を眺めて、松崎司さんに「浮浪雲か!」と、言われて本望な雲です。わかる? 浮浪雲。
 今日、枝垂れ桜の終わりを惜しみに行って参りました。
 一人でふらふら歩いていると、ご老人に声を掛けられました。
「ここはね、本当は駅だったんだよ。知らないよな。線路が通ってたんだ。駅だったんだよ」
 古い、線路とSLの写真を、見せて下さいました。
「こんな話してたら笑われちゃうね」
 と、去って行かれました。
 ぼんやりと微かに、私には廃線反対デモの記憶があります。
 でもそれは、日曜日に暇を持て余した大人達が楽しく町を歩き、ビールを飲んで電車に乗って、そして解散してまた酒を飲みに行くという、娯楽の記憶です。
 大人達はデモを楽しんでいたなあと、覚えています。
 でも今日話し掛けられたおじいさんは、ここに駅があったんだということを、何かこう、確かめているような気がして、なんだか切なかったです。
 私の記憶は愉快なデモでしたが、もちろんそうではなかった人もいたのだろうなと、今日初めて知りました。

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 なんでだかこの間から、写真が横になる。縦に見てください……。
 
 今朝、またばあちゃんの夢を見ました。
 ばあちゃんが笑っていて、
「いてくれたんだ。いてくれたんだ」
 と、手を握っていたら、
「ばあちゃん帰らねばなんね」
 と、何処かへ帰って行ってしまいました。
 幸せな夢で、しばらく夢を反芻して、枝垂れ桜を見に行って帰ろうとしたときに、またご老人に声を掛けられました。いつものラーメン屋さん、はせ川への道を尋ねられたのです。はせ川はとてもわかりにくくて、随分迷われた挙げ句のことだったようなので、車で先導してご案内しました。千葉からいらしたそうです。
 はせ川の前に辿り着いて駐車場を指差すと、奥様が車から駆け下りてらっしゃいました。
「本当にありがとう。こんなものしかなくてごめんなさい」
 と、お菓子を三つ、握らされました。
 お返ししようかと思いましたが、お菓子をくださった手が、夢の中で握ったばあちゃんみたいだなと思ったら、返せなくて、そのままいただいてしまいました。
 因果は巡るとよく言うけれど、愛情も巡るなあと、そこらじゅうにあるのかもしれないなあと、ご夫婦を見送って帰りました。
 みなさま、良いゴールデン・ウィークを。

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  1. 2014/04/29(火) 12:01:25|
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