菅野彰

菅野彰の日記です

「夢の話」

 昨日、ばあちゃんの夢を見ました。ばあちゃんの夢を見ることは珍しくないです。いい年をして甘えた孫です。
 私の住んでいるところはまだ寒いので、私はばあちゃんが縫ってくれた半纏を着ています。半纏を着たまま、お湯を沸かしたりごはんを作ったりして、危ないなと自分で思っていたところに、ばあちゃんが夢に出て来ました。
 ばあちゃんは夢の中で、私の半纏の袖を縫い付けています。
「火がついたら危ないから」
 そう言われて、目が覚めました。
 昨日から火に近付くときは、半纏を脱いでいます。
 幼なじみにこの話をしたら、
「夢の中でもやさしいね」
 と、言われて、もう一周忌も過ぎたのにまた涙が出ました。
 死んだ人は夢の中では喋らないと、よく聞きます。ばあちゃんは多分、まだどっかでゆっくり生きてるのかなと思います。
 粗忽な孫に、見かねて訪ねて来てくれたのかなと、嬉しかったです。


 忘れられている(私に)、トップページを更新しました。

 五月二十二日売りの小説Charaに新作を書かせて頂きます。
 「毎日晴天!」の次巻も予定していますので、よろしくお願いします。
  1. 2013/03/29(金) 19:41:26|
  2. 日記

「私の変な美容師五回目くらい」

 先日、髪が限界を迎えたので私の変な美容師を訪ねました。
 変な美容師は、今回は日記に書くようなことをそんなに提供してくれませんでした。
 何故なら。
 その日はWBCで日本が劇的な逆転勝ちをした翌日で、彼はずーっと野球の話をしていたからです。
 まず入店して待っているときに、雑誌を二冊差し出されました。
 MOREとNumber。
「MOREとNumber……?」
 MOREは女性雑誌、Numberは主に男性が読むスポーツ雑誌です。
「昨日、野球観た?」
 私はその前日、安西先生の言うことを聞きませんでした。
「九回まで観て……負けると思って観るのやめちゃったんだよね」
「あー、わかる。わかる、あそこで負けると思うよね。うんうん、わかるよ」
 ええ、あきらめたらそこで試合終了です。
 私は朝結果を知って、テレビを消した自分を憎んでいました。
「その後がすごかったんだよー」
 彼はそして野球の話を延々と……。
 観なかったのは私が悪かったのです! くそー! 観れば良かった!
 興が乗ったのか彼は、私に秘密を一つ、打ち明けてくれました。
「これね、内緒ね。本当はしちゃいけない話なんだけどね……」
 多分、美容室で禁じているのでしょう。
「僕、中日ファンなんだよね」
 野球、宗教、政治、禁じているのでしょうその話題を。なんで打ち明けた! いや別にいいけど!
「中日に、四十七歳の現役投手いるよね」
 しょうがないので、話に乗ってあげました。
「ああ、山本昌?」
「そうそう。世が世ならもう儚い年齢よといつも思うんだよね。すごいね」
「何言ってんの、マサが投げる限りは中日ファンはマサを応援するんだよ。たとえ最速130kmでも」
「それってピッチングマシンくらいじゃないの?」
「球界最遅と言われてる。でもね、○○さん」
 彼はドヤ顔で言いました。
「マサの球はね、手元で伸びて誰よりも早く見えるんだよ」
 おまえ打ったことあるんかい!!
 突っ込みたかったけど突っ込めませんでした。
「あ、○○さん八重の桜観てる? 僕周りに観てる人一人もいないんだけど」
「もちろん観てるよ」
「やっと話せる人来た! あんつぁまの裸見た!?」
 一番最初に話したかったことはそれですか。
「見たよー」
 そこからしばらく「八重の桜」の話をしていたら、
「なんでそんなに詳しいの? 八重」
「いや……そこはそれ会津の人だから」
 私の秘密は打ち明けられませんでした。
「あした咲く花」まだまだ発売中。そろそろ「八重の桜」の年代になってくる頃。
「女に生まれてみたものの。」と、ともに読んで頂けたらなお嬉しいです。
 彼は、
「次はそんなにぼさぼさになる前に来てね」
 と、笑顔で見送ってくれました。
 ぼさぼさ言うなぼさぼさ。

 私は今日ふと、岡野雄一さん著「ペコロスの母に会いに行く」を読みました。なんだかどツボに入ってしまって、泣き過ぎて目が痛いです。痴呆とか介護とか今はまだ自分から遠いという方にも、この本はお勧めです。良い本でした。
  1. 2013/03/15(金) 21:04:23|
  2. 私の変な美容師

「三月になると」/「WINGS4月号」発売中

 連日、震災関連の番組が増えていって、二年経つんだなと思います。
 日記にも海馬にも書きましたが、震災の折卵が買えなくて、弟が、
「俺は卵が見つかるまで帰らない」
 と、本当に一晩帰ってきませんでした。
 今は普通に卵は買えますが、その時、どうやってやり繰りしたのか、近所のパン屋さんが、淡々とパンを焼いて卵の入ったサンドイッチを売ってくれました。
 震災について思い出したくないこと、考えたくないことも、色々あるような気がしますが、時折、このサンドイッチが食べたくなります。
 本当に美味しくて、本当に有り難かった気持ちを、食み返します。
 この卵が入ったサンドイッチの美味しさを知った私は、まだ二歳。
 まだまだです。

tamago.jpg


 「WINGS4月号」発売中。「帰ってきた海馬が耳から駆けてゆく」連載中です。今回は「あほな会話の話」。
 諸々、まだまだの私です。誰が言ったんだ不惑。孔子だ。
 

  1. 2013/03/02(土) 10:37:16|
  2. 告知と日記